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繁盛経営研究レポート

トップページ > 繁盛経営研究レポート

繁盛し続けるために大切なこと

私の知り合いに通販業界で歳若くして短期間で
10億円もの売上規模の会社を作り上げた人がいます。

私の息子ほどの歳なのですが、私のビジネスの師匠です。
(もっともこちらが勝手に弟子だと思っているだけですが)

その人がいつも話をする「商売をするのに大切な考え方」
というものをご紹介してみたいと思います。


この考え方を聞いたとき、
私は今まで目の前でモヤモヤしていた商売のカラクリが
はっきり見えてきたように感じました。

この考え方は、あなたにとっても、きっとためになると思います。

とっても大事な話ですので心して読んでくださいね。

まずは、私の師匠の名前をご紹介します。

エキセントリックデザイン株式会社
代表取締役 岡野 弘文 氏

彼や彼の会社については、下記のURLで確認してみてください。。

http://www.okano.ne.jp/

では、彼が話している「商売をするの大切な考え方」とは
どういうことなのでしょう。


まず、下の図をみてください。

商品の要素.JPG


これは、岡野氏が講演のときによく使っている図です。

その図の中の文字を、私なりに飲食店用に替えてお見せしています。
本来の図は、
「商品」→「伝えること」、
「売る方法」→「伝える方法」となっています。

岡野氏の講演では、
自社の商品の良さをいかにしてお客様に伝えることができるか?
がテーマになっていることから「伝えること」「伝える方法」
という言葉になっているのです。


でも、飲食店という商いをしているあなたには
これではわかりにくいでしょう。

「伝えること」ってなんだよ? というとこですものね。
ですから、あなたにとって身近に感じられるような言葉に
替えて話をしていきます。

実はこの簡単な図にこそ、
商売繁盛の基本的なポイントが示されているのです。


「商品」とは、あなたのお店で作っているお料理や
あなたによって厳選されたドリンク類といったもの。

「売る方法」とは
営業方法とか店内の接客方法とか、どのように宣伝したら良いかとか、
口コミをどうして発生させるかなどといった、販売方法のこと。


ここまでは、わかりますよね。

商売であれば、必ず「商品」は存在しますし、
その「商品」をどうやって販売するのかという「売る方法」も
必ず考えていかなくてはならないものです。

あなたの創作したお料理を、どのようにしてお客様に宣伝し、
どのような雰囲気で提供するのか、といったことも
「売る方法」ということです。

商売を繁盛させたいと考えている人は
この「商品」と「売る方法」という2つの要素に
磨きをかけようとするはずです。

「商品」である料理がライバルよりもおいしくて、
お店の雰囲気やお店のスタッフのサービスが行き届いていて、
上手に宣伝をしていけば、必ず繁盛するはず、と考えます。

もちろん、それは大切なことで
商売繁盛の重要な要素であることに変わりはありません。

ところが、どうもそれだけでは繁盛が続かないのです。
一時的な繁盛は確保できても、1年2年するうちに
いつの間にか、「繁盛は遠い昔の話」となってしまうのです。


「もう、このようなスタイルの時代は終わったんだな」
「現代のお客層に合わせた料理を工夫しなくては」
「お店の雰囲気が今の流行に外れているんだ」

などとこの2つの要素について見直す人は多いと思います。

しかし、ここで大切なことを忘れているのです。

あなたが磨きをかけてきた2つの要素は、
先ほどの図で言えば、商売の大切な要素の上半分だけのことなのです。

商売繁盛の秘訣は、実は、図の下半分の要素にかかっているのです。

では、ここに入る要素とは、いったい何なのでしょう?


それは、「信頼」という文字です。

そう、商売にとって「商品」や「売る方法」よりも
ずっと大切な要素となるのが、「信頼」なのです。

「信頼」ってわかりますよね?

「嘘をつかない」
「約束は守る」
「口先だけではない」
「グラグラしていない」

などといった行動で培われていくお客さんの心の中にできる感情です。

こう言うと、
「そんなことわかってる、ウチも信用第一にやっているんだ」
という人がいます。

そういう人に、
「そうだよね。でもあなたの言っている『信用』ってどういうもの?」
と聞いてみると、どうもはっきりしないのです。


「ウチは材料を自分の目で吟味して買っている」
「ウチは仕込みに手抜きは一切していない」
「伝統の味をかたくなに守り通している」

まだまだ、答えは一杯でてくると思います。

たしかに、どれも信用や信頼を得るための努力であることには
変わらないのですが、私はこう思うのです。


「信頼とは、あなたの言うことをスンナリと信じてくれること」

もう一度いいます。

「信頼とは、あなたの言うことをスンナリと信じてくれること」


つまり、あなたが、

「ウチは材料を自分の目で吟味して買っている」
「ウチは仕込みに手抜きは一切していない」
「伝統の味をかたくなに守り通している」

言ったら、スンナリと「わかった」と思ってくれる状態であるということです。


いくらあなたが「・・・だ」と言ったところで、

「またまた、うまいこといっちゃって・・・」

なんて思われたとしたら、それは信頼なんて微塵もないということです。


じゃあ、どうすればいいののか、という話です。

あなたはこのように考えているのかもしれません。

「自分の料理を1度でも食べてみてくれれば、わかるはずだ」
「一度でも店に来てくれれば、
自分のやっていることがわかってもらえるはずだ」

そのとおりですね。

あなたほどの方であれば、一度でもあなたの料理を食べれば、
そして一度でもあなたワールドに身を置けば、
あなたのトリコになるはずです。
つまり信頼されてるはず。


でも、????????
 

そんなはずはないですよね。

もし、そうであれば、商売なんていとも簡単な活動です。

はっきり言います。

あなたが信頼されていなければ、どんな料理を出しても、
どんなワールドに浸ってもあなたのお客様には絶対になりません。


一方でその逆にであれば、つまりあなたに信頼があるならば、
それほどの料理でなくても、それほどのワールドでなくても、
お客様は何度でもあなたの誘いに応じてくれるのです。


商売の3要素で「信頼」がまったく無く、
「商品」と「方法」だけのスタイルを詐欺と言います。

どんなお客様でも一度ぐらいは、だまされてもらえます。
お客様の購買行動を研究し、お客様の感情にうまく訴えかければ、
あなたの誘いにのって、お客様は来店してくれます。

そこであなたのお店の商品が、宣伝文句に違わず
おいしいものであれば、あなたのお店の信頼は築ける、
と思ってしまいます。

ところが「信頼」というものはそれだけでは築けないものです。
「信頼を築く」ということは「商品的な信頼」だけじゃないのです。
「信頼」とは「人間的な信頼」なのですね。


人間的な信頼・・・・?

どういうことでしょうか?


あなたにも家族がいると思います。
あなたは家族を信頼されていますか?

あなたが家族に対する感情が「人間的な信頼」というものです。

たとえ家族のだれかひとりが、あなたに悪さをしようと、
あなたはその悪さという行動を、ひいき目にみるはずです。

「あいつがやったことは悪気ではない」
「あいつは本来はいい子なんだから」


このような感情は、家族だから生まれるのでしょうか?
家族に対する信頼とは、特別な感情なのでしょうか?

私は、決してそうは思わないのです。

もちろん、飲食業という商売の上で、たくさんの他人様に
家族と同じような信頼感を築くことは楽なことではありません。

しかし、あなたが商売にとって何よりも大切なものが、
「信頼」というものだと、わかっているのであれば、
あなたの日常の行動は違ってくるはずです。


あなたは、お客さんとの約束は大切にするけど、
取引業者さんとの約束はそれほど気にしていない、
なんてことはありませんか?

待ち合わせ時間に遅れたことはありませんか?

後で連絡すると言って、忘れてしまったことはありませんか?

自分がやると決めたことを自ら破っていることはありませんか?

一度決めたことをすぐに撤回するということはありませんか?


すべてがあなたの「信頼」に影響するものです。


「そんなことはない。料理とサービスがよければお客様は来る」


そうですね。
あなたの商売をどちらの方向に舵をとるのかはあなたの自由です。

しかし、あなたがもっと楽しく商売をするためには、
「信頼」を要素に入れる経営に舵をとることをお勧めします。

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このページは、コンテンツページ内にあるノウハウのPDF版を

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ノウハウによっては、ページ数が多く、ブログ上では読みにくいものも

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■■飲食店繁盛の黄金法則

 「経営が苦しいお店を救うのは集客のための宣伝だ」という言葉を信じて

多くの飲食店が潰れていきました。苦しいお店を救うのは宣伝ではありません。

このレポートは、経営に悩み、月末になると支払のことで生きた心地がしない

という料理店経営者にぜひ読んでもらいたくてつくったものです。

あなたはきっとボタンを掛け違えているのです。早く気がついてください。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-101

そして再度、「経営者の真の仕事とは・・・」について前述したPHP研究所の講義の
中からの難解な一節をご紹介しておきます。
 
  「独自の経営哲学」のもとに、
  ヒト、モノ、カネ、時間、情報に代表される「経営資源」を、
  有効適切なる「経営管理技術」を駆使して「付加価値」を創造し、
  「利害関係者」に対して「存在価値」を発揮し、
  活力を持った「組織体」として、
  永遠に「存続価値」を確立すること。
 
最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。
 
“黄金の法則”なんてたいそうなタイトルにしてしまいましたが、そんな誰にでも
共通して使える法則なんてものはあるはずはありません。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-100

そうであれば、儲かったからセミリタイヤという
選択を料理店のオーナーさんには
してもらいたくはありません。
 
いつまでもいつまでも、その独創的な価値をあたえ続けるための工夫と努力をしても
らいたいと願っています。
 
あなたのお店はあなたの利益だけのために存在しているのではありません。
 
あなたのお店は多くの関係する人たちの必要のために存在しているのです。
 
利益とはそれを継続させ続けるための燃料と考えてみたらどうでしょう。
お店が利益を追求していく意味が見えてくるのではないでしょうか。
 
 
最後に、私がとても好きな一節を、『マイゴール』 リチャード・H・モリタ著
(株式会社イーハトーブフロンティア出版)からご紹介します。
 
  人生で心の平安という精神的自立と、経済的自立という金銭的な
  安定を獲得したとびきりの成功者は、すべて皆“自分の法則で生きている”
  ということなんだ。
  成功の法則、幸せの法則・・・それは、他の誰かがつくった法則を勉強し、
  それを真似て生きるようなものではない。
  人は、他の誰とも違う。
  自分らしさの中で生きてこそ、幸せを実感できる。
  もっともっと独創的に、個性的になりなさい。
  自己実現だよ。
  自己実現とは、たとえ誰かの良い意見であっても、それに左右されないで
  生きることができることだ。
  そしてもう一つ、それは苦労して掴み取ったものであっても、それに
  固執しないようになること。これが真の自己実現の姿だ。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-099

「あら、ここにあったお店、やめちゃったのかしら? いいお店だったのにね、
お料理もおいしかったのに・・・」
こんな光景が、どの街にも必ずあるものです。
 
企業の目的が存在価値を発揮して存続することにあるのであれば、飲食店といえ
どもいつまでもその存在価値を保っていくのが理想です。
 
存在価値とは、利用するお客様をはじめとして、そのお店に材料を提供することに
よって支えている各種の業者さん達、そして資金を用意してくれた金融機関、
またその借入を支援してくれた連帯保証人の方、さらにはそこで働く人々などなどの
人たちに、「なくなってもらいたくない」という実感をもってもらえることです。
 
料理店という事業が利益を必要とするのは、この存在価値をいつまでも存続させる
ためになくてはならないものであるからです。
言い換えてみれば、料理店の利益とは、さまざまな利害関係者がいつまでも恩恵を
受け取ることができようになるためのものなのです。
 
 
「一攫千金」という言葉があります。
「セミリタイヤ」という言葉もあります。
 
大きく揺れ動く現代社会の中で、知恵を駆使してお金を儲け、そして若くして現役を
退き、悠々自適の生活をエンジョイする姿は眩しく見え、誰しも憧れることと思います。
 
このような人たちをけっして否定するわけではありませんが、飲食店を経営する方で
あれば、その方はたくさんのお客様をはじめとした多くの利害関係者に恩恵を与えて
います。
 
そして、料理を食べに来店するお客様たちは、そこにしかない独創的な価値をもらっ
ているのです。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-098

「はっきり言えば、すべての人に適用できるノウハウはありません。会員の皆さん
一人一人の環境や性格によっていろいろだと思っています。強いて言うならば、
会員の皆さんがこの2つの力を自分達のオリジナルのやり方で実践していくのを、
私が監視をしていくという図式になればいいと考えています」
 
「じゃあ、見張り番ってとこですね」
 
「うまい表現ですね。たしかにその通りです。でないと、皆さんすぐにやめてしま
いますからね。」
 
「そりゃそうだ。こんなことを一人だけでやろうとしたら、絶対にできないという
ことだけは自信を持って言えますね」
 
 
貯める力と増やす力を自分のものとするには、まずこの2つの力が自分に必要で
あることを心の底からわかる必要があります。
 
若いときにしかできない遊びもあります。
若いときにしか味わえない楽しみもあります。
それをすべて我慢して将来のために貯蓄をしろとは酷な話かもしれません。
また、この2つの力はしっかりと稼ぐことができた後に考えても遅くはない、
と思われるかもしれません。
 
このような言い分もわからないわけではないのです。
でも、自分が死ぬ間際にこの世に生まれてきたことをよかったと思った人の
多くは、死ぬ直前の人生に満足した人である
、と言われています。
 
「若いときにはよかったのに、今ではこんな状態だ。ああ、あの頃に戻りたい!」
「若いときは辛抱のしどうしだったけど、それが今の幸せを叶えてくれている!」
 
まさに“アリとキリギリス”。
さて、あなたはどちらを選択するのでしょうか?

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-097

このような自分への投資やお店への投資は、そのお金が直接的に増えるというもの
ではありません。
このような投資は遠い将来への種まきとも言える投資になります。
しかし、それが見事に実を結べば、その投資したお金は何倍にも増えてあなたの
もとに帰ってくることになるのです。
そして、あなたには明るい未来を迎えることの可能がきっと見えてきます。
 
 
「へぇーー! 雲をつかむような話になってきましたね。でも話の中身はその通り
だと思いますよ。初めの話にもあったように、何もしていなければ将来は真っ暗
ですものね。
正直言って、今は考えたくない話ですよ。でも現実はそうなんだからその現実を
しっかり見つめなきゃいけませんよね。本当に、私たちなんて何の保証もないの
だから」
 
「少しはわかっていただけましたか?」
 
「少しはね。でも、じゃ具体的にどうすればいいのですか? この2つの力を身に
つける方法あれば教えてもらいたいですよ」
 
 
   “貯める力”と“増やす力”はテクニックでは
   ありません。それが必要だと認め、それに正面から
   対峙する意思を持つということです。
   若い料理人さんには、今考えることではないと
   思われるかもしれません。
   でも、56歳を迎えた私の経験から言えば、思ったよりも
   年月は早く経ってしまうということです。
   そして、誰にでも必ず老後はあるのです。
 
 
「残念ながら、今現在では具体的な方法はありません。このテーマは私どもの
研究会として会員の皆様と一緒に探していくものだと考えています。先ほどの、
収入の中から1割を貯金する、というものだって、一つの提案に過ぎません。
絶対にそれでなくてはというものではないと思っています」
 
「それじゃあ、研究会ではノウハウはないということですか?」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-096

そう考えるならば、当然、銀行の預金よりも投資信託の方が割がいいし、株式の
ほうがもっと割がいい、と言うことになります。
 
「株は素人がやっても儲からない」とは真実だと思いますが、それは3年や5年での
期間の中で言えることであり、10年、20年という長期で見てみれば、株式の
値上がり率は、過去の実績を見てみてもインフレ率よりも高いという数字が出で
います。
 
株式の売買を短期間での上げ下げでとらえるのではなく、その会社の将来性に出資
をし、配当金をもらいながら長期的な利ざやを期待するのであれば、それも悪くは
ありません。
しかし、そうは言ってもやはり株式はハイリスクの投資であることには間違いあり
ませんので、無学のまま飛び込むのは危険な行為だと思います。
 
ここで投資という考えを、他人に預けるのではなく自分に預ける、つまり自分への
投資
ということに目を向けてみます。
自分への投資とは、自分の能力を磨くためにお金を使うということです。
 
世の中をよく見てみると、稼いでいる人ほどよく勉強をされているようです。
そして、その勉強代も稼いでいる人は半端ではありません。
勉強すれば必ず儲かるとは言い切れませんが、自らが学ぶ姿勢を持つということは、
儲かる経営には欠かせない要件だと思います。
きっと、さまざまな知識を勉強する中から自分の老後を幸せにする知恵を授かる
ことができると思います。
 
さらに、今度は、投資を自分のお店へと考えてみます。
内装などの付帯設備も投資の内なのですが、人材への投資も大事なことです。
事業は人によって良くも悪くもなります。
給与以外に従業員の教育に投資をしていくことは大切なことだと思います。
 
ましてや、自分が引退した後の担い手を養成することは事業を存続させるためには
絶対に必要なことです。
自分の子供に継がせるのであれば、子供にはそれなりの教育という投資をして
いかなければなりません。
後継者としての教育は学費とは別のものです。
現在の日本には、事業の後継者を育成する学校はありません。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-095

「それじゃあ、女房が文句言わないですかね?」
 
「当然、奥さんにもこの話はしておいてください。何もムダ使いをするという話
ではありません。貯金です。誰かにくれてやるというお金ではありません」
 
「そうだよな、困ればこれを使えばいいんだからな」
 
「いえ、それじゃダメです。この貯めているお金は、困ったときに使うものでは
ありません。収入の1割の貯金をしても困らない暮らしに変えるということ
です。
このお金はあること以外には、仕入れの支払いにもお店の経費にも銀行への返済
にも使わない貯金です」
 
「へえ、そうなんですか? 普段は使えないお金を自分のために貯めるということ
ですか? 何かしっくりこないですね。それでそのあることとは何のことですか?」
 
「しっくりこないのも当然です。今までこのようなことを考えたこともなかったはず
ですからね。それで、質問のあることというのが、“増やす力”の源泉となる資金と
してなのですよ。つまり“投資”です」
 
 
   投資は投機とは違います。貯めたお金を増やす
   というよりも貯めたお金を活かすという考えが投資です。
   自分自身を磨くために、お店の人材を育成するために、
   後継者の教育のために、活きたお金を使っていくことが
   投資と考えています。
   もちろん、お金にお金を稼がせるハイリスクハイリターの
   投資も含まないわけではありません。
 
  
投資という言葉を使うと、株式とか投資信託といったものを想像されると思いますが、
ここでいう投資とはもっと広い意味で解釈しています。
 
“増やす”ということですので、ある一定の金額のお金がお金を生むという現象を
意味することには相違ありません。
簡単に言えば、銀行に定期貯金をして自分は何もしないけれど利息分のお金が
増えていくといったものです。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-094

“目的貯金”というものがあります。
海外旅行の資金を貯める、買いたい商品があるから貯める、子供のための学費を
ためる・・・。
このような、ある何かの目的を達成するためにお金を貯めることは、それでも
その目的がはっきりしていますので貯め続けることは比較的容易にできます。
 
ところが、この目的といったものがなかったとき、多くの人はお金を貯め続ける
ことが出来なくなります。
いったい何のために倹約までして貯めているのかという疑問が生まれてきます。
貯めても使うあてのないお金などあっても仕方ないと考えるのも当然です。
 
“貯める力”というのは、このような何の目的もなくただお金を貯める習慣をつける
ということです。
誰のために・・・?
もちろん自分の将来のために、です。
 
 
「それゃ、貯められるほど儲かっていれば、誰だって貯められるんじゃないです
かね。でも、ウチでは今はそんな余裕なんて考えられないですよ。そんな余裕が
あれば借金でこんなに苦労しませんもの」
 
「ご主人、お気持ちはよくわかります。銀行への返済を止めてもらっている現状も
承知しています。でも、貯め始めなくてはいけないのです。それが“力”という
意味なのですから」
 
「うーん、ではいったいどうしろ、言うのですか?」
 
「はい、月当たりの経常利益の金額が出ますよね、売上から仕入と月の経費を引いた
残りの利益のことです。通常はその金額がご主人の家庭の生活費と消えてしまうので
すが、その金額のうちの1割を強制的に貯金するのです。仮に50万円の経常利益で
あれば5万円になります。この5万円は初めからなかったものと考えるようにして
みてください」
 
 
   収入の一割の貯金をするという方法は、昔の
   偉人たちが実践していたものです。明治時代に
   活躍した大富豪本多静六氏は独自の蓄財投資法
   の中で収入の4割を貯金したと述べています。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-093

「はい、日本人の平均寿命は年々伸びています。医学の進歩も長寿に貢献していす。
ご主人の世代では、ひょっとすると平均寿命100歳ってことになるかもしれないですよ」
 
「えぇぇ、それじゃ、60歳で仕事をやめたら100歳までどうやって暮らしていけば
いいのでしょうか? いったいいくらかかるんでしょうか?」
 
「計算すればわかります。1年間に240万円の生活費ですから、40年では9600万円
ということですよ。ただし、物価の上昇率は計算に入れていませんけどね。それに
将来は消費税も上がるし、老人医療補助も改定されるかもしれませんよね」
 
「そ、そんな! それじゃ早く死んじゃった方がいいじゃないですか?」
 
「はい、ですから、先ほど親父さんの死を『かえってよかったかも・・』と言ったのですよ」
 
「そういうことだったのですか。自分の老後のことがよくわかりました。このままで
いたら私もヤバイですね。いったいどうすればいいのでしょうか?」
 
「ここからが今日の話の本番です。いいですか、将来の最悪のシーンの可能性は誰に
でもあります。それを回避するには、今までご主人が習ってきた“お店を繁盛させる
力”の他にもう2つの“力”を身につけなくてはなりません。その2つの“力”とは、
“貯める力”と“増やす力”です」
 
「ほう、“貯める力”と“増やす力”ですか・・・!」
 
「ええ、言葉にすれば難しいものではありません。いちいち何であるかを説明する
必要はないでしょう。しかし、この2つを実践し続けることは至難の業なのです。
ですから“力”という文字が最後につけてみたのです。単に“貯める”のではあり
ません。“貯める力”を培うのです」
 
 
   貯めようと思っても貯まらないのがお金です。
   特に目的を定めない貯金は続けることができません。
   それが自分の将来のためとわかっていても
   できないのが貯金です。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-092

「ほう、それじゃあ、収入はゼロ。それで良く3年も暮らしていけましたよね」
 
「ええ、私のところには話はなかったのですが、他の弟子たちのところには
『働かせてもらいたい』って言っていたようでした。もっとも弟子は親父さんを
使うなんてできやしませんよね。それで奥さんが近くのお店にパートで雇って
もらってなんとか生活をしていたみたいですね」
 
「ご主人、今日お話をしておきたいのは、このように料理人さんが、遠い将来に
向かえてしまうかもしれない最悪のシーンなのです」
 
「えっ、私も、親父さんみたくなってしまう、ってことですか?」
 
「ならないって自信ありますか?」
 
「・・・・・・」
 
「ご主人、勤めている料理人さんでも世間並みの金額を退職時にもらえる人は多く
ありません。ましてやご主人のように自営の人はゼロです。しかし、料理人にも
賞味期限はあります。今でこそバリバリに仕事をしていますけど、50歳を過ぎれば、
あっというまに“食えない料理人”になってしまいます。今はご主人の魅力で来店
してくれたお客様もそれぞれが同じように歳をとり、そうそう外食もできなくなって
きます。かと言って、代わりに若い世代に目を向けても、今度は自分と話が合わない
のですよね」」
 
「・・・。何か、考えたくもないことですね」
 
「ええ、でもそんな時期は必ずやってきます。そしてきっと包丁を納めることになる
でしょう。それは即収入ゼロの始まりということです。でも、それでも日々の生活は
続きます。将来の物価は予想できませんが、仮に月の生活費が20万円として年間
240万円、5年で1,200万円、10年で2,400万円の生活費が必要ということになります。60歳でリタイヤしたとして10年たっても70歳ですよ。その時まだ生きていたとしたら、もっと生活費がかかるということです」
 
「考えたくなかったのですが、計算してみればそうなりますよね。でも、70歳じゃ、
今ではまだ初老ですよね」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-091

   「明日のお金は明日稼げばいい」と言うほど
   極端ではないのですが、若い料理人さんが老後のために
   準備をしているという話は聞いたことがありません。
 
 
人間は、どういうわけか、稼ぐときはその分、使うお金も多くなるようです。
生活費もそれなり、お付き合いもそれなりの出費になってしまいます。
 
稼ぎが多いときに将来のことを考えて、今を慎ましく生きるより、将来もきっと
こんな調子で行くことだからと考えて、今を十分に楽しもうと考えやすいのですね。
 
 
「あの親父さんも、ずっとこの道で苦労してきてね、さあこれから第二の人生と
いう矢先のことだったのです」
 
「なるほど、それは残念なことをしましたね。昔はそういう料理人さんが多かった
ようですね。若いときから結構無理を重ねてくるので、普通の人とは肉体の消耗が
はげしいのでしょうかね。で、ところでそんな親父さんなら遺産も結構あった
でしょうね」
 
「いいえ、ところがスッカラカンだったようですよ。まあ生命保険をかけてあった
らしく、奥さんは『もし、これがなかったら心中モノでした』と言っていました」
 
「そういう人って意外に多いのですよ。ウーン、それじゃ、親父さんにしてみれば、
 
それでかえって良かったとも言えるのでは・・・?」
 
「いったい、どういうことですか? それに、今日は料理人の老後の話って言って
いましたけど・・・?」
 
「ええ、つまりですね。たとえば、もしその親父さんが亡くならずにご健在でいた
とすると、月々の生活費というものが要りますよね。しかし、収入は勤め先を退職
してしまったのだから、年金だけという状態だと思います。ましてこの世界は世間
並みの退職金はもらえないですよね。ひょっとすると年金も基礎年金だけとか・・・・。」
 
「ええ、その通りだと思います。親父さんが最後に勤めたお店には5年ほどしかい
ませんでしたので、退職金なんてゼロじゃないかと思います。年金もどうですかね?
私は知りませんが、たぶん積み立てはしていなかったのじゃないかと思いますよ」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-090

料理人は、一般の企業人と比べると職の賞味期限は短いと思っています。
料理人にとって、人間基本的な感覚のうち味覚、視覚、触覚といったものは特に
大切なものです。
 
しかし、人間は歳とともにこのような感覚が鈍くなってくるのが普通です。
特に、視覚は50歳前後より老眼という症状を迎えます。
細かい調理技術を前提とする料理人さんにとって老眼は相当のハンディをもたらす
はずです。
包丁を使って調理するときには老眼鏡をかけ、それが済めばめがねを外すという
繰り返しになります。
端から見てもカッコイイ姿ではありません。
 
さらに、身体の衰えも隠せません。
調理場で不安定な一定の姿勢を続けなければならない料理人さんの腰は、50歳を
過ぎた頃よりきつい仕事をこなせなくなってくるのです。
腰痛を持病にもつ料理人さんも意外と多いのです。
 
当然ながら、このような賞味期限が切れた料理人さんには、雇う側も機会があれば
料引退を勧告されることになりますし、自営であればお客様自体が寄り付かなくなっ
てきます。
 
このような人間の老化は、それ自体しかたのないことだと思います。
料理の世界でも新旧の交代は良い意味での“新陳代謝”ということと捉えることが
できますし、それがあるからこそ、次の世代を目指してまた人が集まってくるのです。
 
でも、去っていく側にも、その後の幸せが待っている人と、残念ながらそうでない人
が存在してしまっています。
そして、私が見る限りにおいては、そうでない人のほうが多いと思えたのです。
 
その原因は、いろいろとあるとは思うのですが、最もありがちなあるひとつことが
想定できます。
それは“自分の一番いいときに、将来の準備をしていない”ということです。
わかりやすく言えば、所得が十分あるときに、将来への準備をしていないということです。
お店を経営している人であれば、繁盛して儲かっているときに貯蓄をしていないのです。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-089

「エッ? ああ、“親父さん”ですか。たしか亡くなりましたね。勤めていた
お店を65歳で辞めてから3年ほどした時期だったと思いますが・・・。それがどう
しました?」
 
「ええ、今日、今から話すこととは、そういった料理人さんたちの老後の話なのです」
 
 
   料理人さんの現役としての寿命は一般の
   社会の人たちに比べて短いのでは・・・と思っています。
   中には高齢になってまで包丁を握っている
   著名な料理人もいますけど、多くの人たちは
   50歳を過ぎた頃から稼ぐ力が急速にダウンしてきます。
 
 
30年も料理人さんたちとお取引をしてきた私は、たくさんの料理人さんたちの行く
末を見させていただきました。
高齢のために料亭やレストラン、ホテルを円満退職し、優雅な余生を存分に楽しんだ
方もいます。
自分でお店を開業し繁盛店に仕立て上げて、そのお店を次の世代に譲って悠々と
引退していった方もいます。
 
しかし、このような、どちらかといえば幸せな老後を迎えた料理人さんの数は驚く
ほど少ない
のです。
 
高齢になっても明日の生活のためにどこかの飲食店にパートで働いているとか、
そういった働き場所もない人たちが意外にもたくさんおられました。
ひどい人になると、何所でどうしているのか全くわからない人もおられました。
 
その大方の人たちも、若い全盛期の時には、それこそ“飛ぶ鳥を落とす勢い”
であり、私たち業者には、恐いけど売上には大事な料理人さんたちだったのです。
 
勤め人であれば大勢の“若い衆”を抱え、自営であればお店にはいつもお客様で
溢れ、“よくぞ料理人に生まれけり”といった時代を満喫しているかのようでした。
 
ところが、そんな人たちも料理人としての全盛期が過ぎる年回りになると、
まるで『アリとキリギリス』の寓話の中のキリギリスように寒い冬を迎えて
しまっていったのです。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-088

「ええ、とにかくやりたいことが次から次へと出てきまして、もう時間がいくら
あってもたりません。でも、不思議なもので、料理以外のことに忙しく頭を使って
いると、料理のアイデアも、ほら、なんと言いますか、ポンポン出でくるのです
よね。私が教わった昔の料理長が『仕事は忙しいヤツに頼め』ってよく言っていた
のを思い出しましたよ。それが今になってわかるような気がして・・・」
 
「ほう、依然とはずいぶん変わったことを言うようになりましたね」
 
「ええ、何か毎日が楽しく感じられるようになってきました。いえ、もちろんまだ
お店の資金繰りが楽になったというわけではありません。ちょっとでも手を抜けば、
売上はダウンしてしまいます。それだけに大変なのですが、とにかく何をすれば
どういった結果になるということはちょっとわかってきた気がします」
 
「因果関係というやつですね。結果には必ずその原因があるということです。
正確には“原因→過程→結果”ということですがね」
 
「そうなんですか? 難しいことは、まだよくわかりません。とにかく結果として
売上も以前に比べて180%ほどになってきています。
 
「なるほど、ではこの売上を続けていれば、銀行の返済が再び始まっても何とか
なりそうですね。ご主人の趣味であったパチンコも言っていない様子ですしね」
 
「はい、そんなところに行っているヒマなんてありません。とにかく時間がないと
いうのが現状です」
 
「結構です。それは良かったです」
 
「それで、電話でお願いしたことなのですが・・・・」
 
「はい。それだけじゃダメという話でしたよね」
 
「ええ、どういう話なのかが気になってしまって・・・」
 
「はい、わかりました。今日はその話をしにきたのですよね。その前に、ひとつ
聞きたいのですが、ご主人が調理技術を教えてもらった“親父さん”はまだご健在
ですか?」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-087

大石さんはただ聞いて欲しかった。
自分の実践している軌跡を知っていて欲しかった。
後で思い返せば、きっとそんな気持ちでの電話だったのでしょう。
 
そして、数少ないけど、成功したときの喜びの報告では、それこそ子供のように
はじゃいだ声で喜びを表現してくれました。
それは、まるでお客様との心理ゲームを楽しんでいるかのようだったのです。
 
そんなある日のこと、前回の話のことを思い出したのか、大石さんから電話が
ありました。
 
 
「あの、実はこの前にお会いしたときの最後の方の話なんですが・・・。最近、
なんだろうって気になってしまって、一度聞かせてもらえませんでしょうか?」
 
「えっ? あっ、そうそうあれね? お店の繁盛だけではダメって話ですよね」
 
「ええ、そのダメって話です。ダメって言われちゃうと、妙に気になって
しまって・・・」
 
「いいですよ。ご主人は時間がとれますか?」
 
「はい、今週でしたらいつでもかまいません」
 
「わかりました。では明後日の午後1時に伺います」
 
 
お店が繁盛するようになり、資金繰りが楽になってからでも十分だと思っていた
私は、無理に話を早める気持ちはありませんでした。
でも、私の最後の「ダメ」という言葉が気になっていた様子でした。
明後日の午後、私はお店に出向いたのです。
 
「こんにちは。ご無沙汰しています。その後はどうですか?」
 
私のいつものセリフです。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-086

   いつでも相談できる人がいるということは、
   経営者の能力を何倍にも大きくするものです。
   お店を自力で持った料理人さんはすでに
   優秀なアイデアマンであるのです。
   ところが1,2回続けてうまく行かない出来事が
   起こると、自信を失ってしまい、次への挑戦を
   ためらってしまいます。
   常に一緒に考えてもらえる相手いるという安心感が
   あるだけで、ほとんどの人は自分自身で
   歩き出してくれます。
   オーナー料理人さんは、もともと人の意見などあて
   にはしていない人たちです。
 
 
大石さんは日常の料理づくりのほかに、お客様の来店数をアップさせるために
やらなければならないことが山積みになっているようでした。
毎日がとても短く感じられる日々を送っていました。
 
しかし、何をしたらよいかわからないという以前のような霧の中をさまよっている
感じではなく、しっかりとした目標を持ち、それに向かう道もわかっているスッキリ
とした毎日でした。
 
でも大石さんが企画したすべての方策が成功したわけではありません。
どちらかといえば、不成功の企画の方が多かったようです。
でも、不成功を失敗と考えるのではなく、“成功しないことがわかった”という
成果に結び付けられるような考え方
に変わってきたのです。
 
その間の相談件数は尋常ではありませんでした。
ほとんど毎日といってよいほど電話がかかってきました。
電話のほとんどは、「・・・ですが、どうですか?」というものです。
  
もちろん、私にも未来の予測はできません。
私の答えはいつも「そうですよね。でご主人はどうします?」というものでした。
それで十分でした。

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-085

「たとえば・・・?」
 
「いいえ、今日はやめときましょう。切りがありませんし、すべてを一度にやろう
としても無理が生じてすべが中途半端になる危険があります。またいろいろな戦術には
長所や欠点、向き不向きがありますので、それらを見極めながら、実践していくという
研究を当研究会と一緒にしていただければありがたいです。当会は研究会という名称を
使用しているのはこのようなことからです」
 
「わかりました。これから一緒にいろいろと研究させてもらいたいと思います。
よろしくお願いいたします」
 
 
「こちらこそよろしくお願いいたします。今日はこの辺で失礼しますが、今から
2~3ヶ月経ったら、今一度時間を作ってください」
 
「ええ、いつでも作れますけど、他に何か?」
 
「はい、実は当研究会がご主人お伝えしたいことは、繁盛店づくりのことだけでは
ないのです。それはほんの一部。もっとご主人にとって重大なことがあるのです」
 
「えぇぇ? 店の繁盛よりも大事なものですか・・・? それって何ですか?」
 
「いえいえ、そんなことは言っていませんよ。お店の繁盛は最も大切なことです。
でも、ご主人、たとえお店が繁盛して儲かるようになったとしても、それだけじゃ
ダメなんです。まあ、それはこの次の話としましょう」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-084

「ご心配はもっともです。“ニューズレター”を作成するには、慣れるまでとても
時間がかかります。そして郵送費用もかかります。そしてそこまでして効果がなかった
としたら泣いちゃいますものね。残念ですが、飲食業界においての効果というものを
判断する資料はありません。雑誌などには『ニューズレターを活用して繁盛した』
なんて記事が書かれているとは思いますが、本当に信じられるかどうかは疑問です。
私は、やらないよりはやったほうがよいかもしれない、しかしそのコスト分の収益を
考えると手放しでの推薦はしかねます」
 
「ほう、そんなものですか? では、やらなくてもいいかなぁ?」
 
「でも、メリットはあります。先ほど『お客様は忘れやすい』ということを言いました
が、それは真実です。“ニューズレター”の配信によるコミュニケーション活動は、
ご主人のお店を思い出してもらうためなのですが、思い出してもらうときに一緒に、
イベントのご案内をすることができます」
 
「それなら、案内だけをすればいいのでは・・・?」
 
「そうと考えやすいのですが・・・。でも本来、人間は売り込まれるのが嫌い
です。ですから、ご主人から届けられる郵送物がいつもご案内という売り込みで
あるならば、初めは開封するもののいずれ開封もしないでゴミ箱行き、といった
ことになる可能性があるのです」
 
「おぉぉ、そうかもしれませんね。私の家にもそれらしき郵便が来ますけど、
ほとんどが開けずにゴミ箱ですねものね」
 
「そうだと思います。“ニューズレター”の発刊はそのゴミ箱行きの確率を低く
させる効果はあると思います。そのために、“ニューズレター”の内容には
売り込みのような表現は禁物
なのですがね」
 
「ほんとうにそうなのですか?」
 
「あくまでも確率の程度です。絶対という根拠はありません。もちろん“ニューズ
レター”の出来不出来によっても違いは出てくると思います。ですから、これは
戦術のひとつであると考えてください。既存客を誘い出す戦術はこれだけではない
はずです」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-083

「ええ? それはお店でのサービスを強化していく、ということでするのでは・・・?」
 
「それはそれです。それだけでお客様をリピートさせることは困難です。以前にも
お話したように、お客様の頭の中はいろいろな事柄で一杯です。とても一飲食店の記憶
など入る余地はありません。一度来店したときの料理やサービスがいくら良かったと
しても、3日も経てばすっかりと忘れられてしまいます」
 
「ええ、そう言われてみればその通りだと思います。では、どうすればいいのですか?」
 
 
   一度来店したお客様の背中を押して
   リピートを促す対策も大事な仕事です。
   それにはお客様とのコミュニケーションが一番です。
   そして、それに対する費用は新規のお客様を
   創るよりも安あがりです。
 
 
「お客様と定期的にコミュニケーションをとることを実施していきます。しかもお店
の中以外にね・・・」
 
「と言いますと・・・」
 
「“ニューズレター” という言葉を聴いたことがありますか? お客様に定期的に
発刊する印刷物のことです」
 
「あっ! ええ、よく経営の専門雑誌で見かけたことがあります。でも何のことだか
わかりませんでしたけど・・・」
 
「そうですね、無理ありません。この“ニューズレター”をご主人のお店でも作成して、
毎月とか、隔月とかというように定期的に既存のお客様の住所に郵送するという方法も
あります」
 
「ますます、やることが多くなってきましたね。やり切れるか心配になってきました。
それでその“ニューズレター”にはどのようなことを掲載していくのですか? 
それと、これを一番に聞きたいのですが、それをやって本当に効果はあるのですか?」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-082

「よろしくお願いします。今まで料理さえおいしいものを作っていればいいと
思っていました。お客様がお帰りになるとき、『おいしかったよ』と言ってもらえる
ので、お客様はおいしい料理を求めている、それじゃもっとおいしいものを一生懸命
考えようとしてきました。でもそれは間違いだったのですね」
 
「ええっ! ご主人。それは間違ってはいませんよ。それはそれで正しい考えです。
もっともっと努力してください。でも、料理人であればそれはどなたでも考えている
ことです。この街に2000人の料理人さんがいれば皆さん同じことを考えています。
『もっともっとおいしい料理を・・』ってね。それは考えてみればとてつもなく激しい
競争だと思いますよ。その競争の中で飛びぬけて世間の支持をいただくということは、
改めて考えてみると不可能に近いことじゃありませんか? ですから、ご主人はもう
1つオリジナルなサービスという武器を使って勝負をかけていって欲しい
のです。
サービスという武器にはいろいろあります。どの武器を創り出し使うかはご主人次第
です。それが個性というものです。その個性を求めてお客様が集まります
そんなお店になってくれることを私は望んでいます」
 
「そうでした、ありがとうございます。何か目の前のモヤモヤがすっきりしたような
気がします。まだまだ『これだ!』というものはありませんが、銀行の返済が再開する
までに何とかしたいと思っていますし、またできそうな気がしてきました」
 
「そうですか、よかったです。では、広告のこと、またその他のことでわからないこと
がありましたら、いつでもFAXかメールで質問してください。電話ではすぐに出れ
ないことがあるかもしれません。それと、毎月当会より、いろいろと有益な情報を
レポートにしてお届けします。それにも目を通してくださいね。これも繁盛店への勉強
だと思ってください。それから、もうこれからご主人はひとりぼっちではありませんよ。いつでも相談できる参謀がいると思ってがんばってください」
 
「わかりました。どんどん相談させてもらいます」
 
「ではご主人、次の話なのですが、今まで話をしてきたことは、新規のお客様を
獲得するための広告というものでした。しかし、集客とは何も新規のお客様獲得
するだけではありません。集客の中には、既存のお客様に再度来店してもらえる
ようなお知らせを発信し、リピート率を上げていく
という方法もあるのです」

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飲食店『繁盛経営』の黄金法則-081

「そういうことですね。広告を戦略と考えるのであれば、LTVというキーワードは
欠かせません。そしてまずはLTVの数値を上げる店づくりから始めなければなら
ないことがお分かりいただけたと思います。それをしなければいくら広告をして新規の
お客様を獲得したとしても、穴の開いたバケツと同じで、繁盛店になることは絶対に
できないと考えます」
 
「そう言われてみればそうですね」
 
    
   広告の真の意味は、問題を抱えている
   お客様に対して問題の解決を提案することです。
   反応がよかったということは、その提案が必要な
   お客様の手元に届いたからです。
 
 
「本当は、広告なんてやってもらいたくはありません。お金がかかりますからね。
でも、世の中にはご主人のお店を知らないことで、食生活やいろいろなことで
“不便”をしている方たちもたくさんいらっしゃいます。広告とはそんな方たちの
不便と言いますか、抱えている問題に対して解決策を提案することが役目なのです」
 
「ほう、解決策をねぇ?」
 
「そうです。広告は広告主の利益のためにするという“自利”の考えではいけません。
広告は商品を知らない人たちに対して、それを知ることで得られる利益のためにする
“他利”を考えて行う活動です。すべてはお客様の利益のため、ということですね」
 
「へぇー! 自分のために広告をするのではないですか?」
 
「ええ、確かに結果的には自分のためなのですが、心根は“他利”を考えるように
してください。それでないと、いい広告のキャッチコピーが考えられなくなります。
よろしいですかもう一度言いますよ。広告は“それを見た人の問題を解決するための
提案”なのです」
 
「なにか、わかったような、わからないような・・・」
 
「そうでしょうね。でも大丈夫。これからが勉強ですから。その勉強の環境と材料を
提供するのが『行列ができる店づくり研究会』の役目です。でも、勉強するのも
実践するのもご主人の自主性です。私がご主人に経営のすべてを指示するわけでは
ありません。なにせ当会は研究会ですからね。会員皆さんが自ら研究する会なのです。
明日の繁盛店を目指してね・・・」

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