元禄時代から20年ほど前、寛文の頃の江戸に、
「けんどん屋」という名称で、
盛切りのめし、そば切、うどんなどを
売る店ができて、大変繁盛していました。
「けんどん屋」という名称は、
盛切り一杯の食べ物を出すことが、
お客に対して、「突っけんどん」だ
ということから名づけられたのです。
けんどん屋が盛切り一杯にした器、
つまり鉢は「けんどん振りの鉢」と
呼ばれていました。
鉢という器は、
皿よりも深くて、すぼんでいて、
瓶よりも口の開いたものの名称です。
そのため、
「けんどん振りの鉢」の「けん」が取れて
「どん振り鉢」、「どんぶり鉢」となり、
ついには鉢も略して「どんぶり」となりました。
一方、
「丼」という字は、中国文字です。
井戸のなかに小石を1つ落とすと、
ドンブリという音がすることから、
この字をどんぶりと読みました。
もともと「丼」とは、
胴巻きとか、財布のことを指してしました。
つまり、物を入れる容器を意味していたのです。
どんぶり鉢は、口が広くて、
何でも入るから、袋とか、財布の名になったわけです。
丼は、やがてこの器に入れた食品ができて、
丼物と称され、親子丼、天丼、カツ丼などように
その食品を指すようになっていきました。