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ブラントを育てる2つのステージ

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人は買い物をするとき、短い時間の中でもいろいろなことを考えています。

あなたのお客様が「どこで飲もうか」と思いついたとしても、
その時に、あなたのお店が頭の中に浮かんでこなければ、
当然、あなたのお店が選ばれることはありません。

反対に、「どこで飲もうか」と思いついたときに、
「やっぱり、あいつのところにしようか」と頭の中に、
しかも真っ先に浮かんできたとすれば、
かなりの確立で、あなたのお店にやってくることになります。


そのときのお客様の頭の中のことを考えてみると、
瞬間的にでも「記憶の検索」をしていると考えられるのです。

そして、その「記憶の検索」とは、
今までのプラスの評価を特に積極的に探し出している作業なのです。


さて、この「記憶」というものなのですが、
それには大きく2つのステージを考えることがでます。


1つ目は、「機能がもたらす価値」というもの、
2つ目は、「イメージ」というものです。


1つ目の機能とは、
「おいしい」、「座り心地がいい」、「安い」、「健康食を扱っている」
というような、人に何かしらの便益を与える能力のことです。

もちろん、その機能のひとつひとつは、万人に納得できるものもあれば、
限定された人だけが喜ぶものである場合もあります。


2つ目のイメージとは、1つ目の機能の結果、
「安心できる」、「ワクワクする」、「ステータスを感じる」
というような情緒的なものを指しています。


そして頭の中では、機能的な価値での差別化が困難になると、
2つ目の情緒的な満足度が選択の重要な要素として登場することになります。

いいえ、時には機能的な価値を完全に無視しても、
情緒的な満足のためにお金を払うことだってあります。

飲食店を選ぶ場合には、この2つ目のイメージという面が
とても大切だと私は感じています。


人は、1つの商品に満足すると同じ会社の商品も買うようになるものです。

たとえば、○○社のプリンターを買った人が大変満足したとします。
するとその人はデジカメを買うときにも、
求めている機能が同じで同じ価格ならはもちろんのこと、
たとえ少し高くても○○社のデジカメを買う可能性は高くなります。


飲食店の場合でもそれは同じです。

初めて来店して食べた料理が満足するものであれば、
次に選ぶ料理についても容易にオーダーをしてもらえる可能性があります。

ですから、繁盛しているお店の“お通し”や“前菜”は、
けっこう手の込んだ、それだけで一品になるのではないかと思えるくらいの
ものがでてくる場合が多いのです。

また、来店して席につくと、真っ先にその店の責任者が飛んできてくれる
という演出をしているお店もあります。

これなども、まずは初めに満足感を与えてたほう芽よいとい判断なのです。


さらに、自分が信頼している店がたとえ違う業態で2号店を出した場合にも、
やはり無条件に信頼する傾向があります。

極端な話が、ラーメン屋さんが居酒屋を開いても信頼されやすくなります。


このような満足を与えることが積み重なってくると、
お店の収益にもかなり影響を及ぼすことになってきます。

では、お客様側からしたらどうでしょう。

巷に星の数ほどある飲食店の中から、△△店というブランドを
迷わず選ぶことで、いろいろと考える手間が省けることになります。

言ってみれば、頭の中での情報検索の省力化でできるということです。

そして、その上で満足感も得られます。

と言うことは、△△店というブランドは、
お客様にとっても大切な財産なのです。


しかし、お客様の頭の中にいい記憶を育てていこうとする店もあれば、
その逆もあります。

初めに出てくる“お通し”が昨日の残り材料でまかなったり、
接客の不手際というような基本的な機能で不満を与えてしまうと、
どんなにイメージの向上のための方策をしても挽回は不可能です。

飲食業界の厳しい競争の中で、いい記憶を残すのはなかなか困難ですが、
一方で悪い記憶というものは、簡単には払拭されないものです。


いい記憶にとってイメージは大切な要素であることに変わりはありません。

しかし、現在ブランド力のある店は、
まずイメージ以前の機能的な価値のレベルを保つために努力をしています。


「ワクワクさせればお客はやってくる」
「人は感情でモノを買う」


このような人間の情緒的な側面を刺激して、
商売を繁盛させようとする手法が流行ったことがあります。


ところが、そうなると、
「ワクワクさせる」「感情を刺激させる」
ということばかりに気を収集してしまい、
肝心の「機能がもたらす価値」を高めようとするこを
忘れてしまっている店が多くなってきてしまっています。


「ワクワク」も「感情」も機能があって初めて発生するイメージですので、
肝心のお店の品質維持のレベルを保っていなければ、
「ワクワク」だけではブラントをつくることはできないと思うのですが、
あなたはどう考えますか?

これまでの3回で「ブランド力」の正体は、
だいたいわかってもらえたのではないでしょうか。


ブランド力とは、人の頭の中に記憶として存在しています。

ところが、人は単なるいい思い出を検索しているのかと言うと、
実はそれだけでないことがわかってきました。

商品を買うときに、過去の記憶を検索するだけではなく、
将来の想像をしているというのです。

そして、それは極端に言うと、人の人生観にも深くかかわってくるのです。

「たかが店を選ぶに人生のことを考える、だって?」


そう思われますか?


では、次回にはこのあたりについてお話したいと思います。





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