料理用語の中でも、
その語源がよくわからないもののひとつが天麩羅です。
今では天麩羅と言えば、
野菜や魚をうどん粉で溶いたものを衣に
油で揚げた料理だとわかりますが、
なぜこの料理名がついたのか? と調べてみると、
大変な迷路に入ってしまうことになります。
徳川家康の死後56年たった
寛文12年の『料理献立集』の中に、
「きじ、てんぷらり」という「てんぷら」に「り」がついた名称が
使われています。
それから76年ほど経った寛延元年『歌仙の組系』には、
「鯛切身てんぷら」と「り」が取れた献立が載っています。
ただし、
この献立は、粉をまぶして揚げる、とあることから、
今の「から揚げ」というものになります。
ともかくも、
「てんぷら」という料理名はこの頃からすでに
使われていたことはわかったのですが、
そもそもこの語源はということですよね。
一説には、テンプラは、
天の日の意味を持つスペイン語・イタリア語のTemporaからであり、
この日には獣鳥肉は食べずに、魚肉鶏卵を食べたことから、
魚料理の名となったと言います。
また、油のことを天(あ)麩(ぶ)羅(ら)と漢字で書いて、
それを音読みにしたという説、
さらには、調理という意味をポルトガル語で
Temporaということからという説があり、
一向に的を絞れません。
とにかく、
「てんぷら」の語源は
「てんぷらり」の「り」が取れた
略称であり、語源はたぶん、
南蛮語であろうというところまでしかわかりません。