プロに言わせれば、魚を焼くには「強火の遠火」で
焼くとよいとされているんだよ。
これはなぜだと思う?
「焼く」という調理法は、熱効率の点からみれば
不利な加熱法なんだね。
しかし、それでもなお盛んに行われているのは、
素材の持ち味を生かすのに、最も適した加熱方法だからなんだね。
ここからは、やや専門的な話になるので、しっかりとついてきてよ!
魚の表面に含まれているピペリジンという成分や、
魚の体内に含まれているトリルメルチルアミンオキサイドという成分は、
熱を加えると揮発してよい香りをかもし出すんだ。
もしも、照り焼きのようにタレをかけながら焼いた場合であれば、
さらに醤油などの調味料の味や香りが加わることになる。
このような美味しさの効果を引き出すためにも、焼く場合には、
外側には適度の焦げ目をつけ、内部にまで適当に火を通すことが
必要になるというわけだよ。(ちょっと難しかったかな?)
さて、このように美味しく焼くために必要な要素が「火加減」というもの。
焼くということは、素材の内側と外側との間に大きな温度差ができ、
表面は200~300℃近くにもなるんだけど、内部は100℃以下ということが多い。
だから仮に強火のまま、近くで焼くとすると、表面は焦げても内部まで
火が通らないという事態になってしまうんだ。
逆に、弱火にして、表面をあまり焦がさずに、内部まで火を通そうとすれば、
表面の部分がなかなか固まらずに、内部の旨味が逃げ出し、
全体の身もしまってしまって、バサバサって事態になってしまうわけだよ。
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昔から焼き魚には炭が使われてきたよね。
「炭火で焼いた魚は格別だ」って話、聞いたことあるよね。
これは、炭火はいったんおこると、いつまでも強い火力を保ってくれるので、
火力が変わっては困る焼き物には非常に好都合なんだね。
でも、一定の火力を保つには好都合でも、ちょうどいい火力に調節することは、
大変な経験と技術を要することなんだね。
そこで火は強火のままにしておいて、魚と火の距離を加減するとこで加熱温度を
調整したというわけなんだ。
うーん、でも現代ではどこもガスコンロだものね。
じゃあ、今度はガスの火で焼くことを考えてみよう。
この場合は、火力の調節は自由だから、火加減はコックによって調節すればいい。
ところが、火を小さくすると下は加熱されても、上部は冷たい空気にさらされて
温まることがなく、加熱にムラができ、味も形も悪くなる。
強火がよいとされるのは、炭火であってもガスの日であっても、熱源の
上の部分一帯を熱い空気の部屋のような状態にすることなんだ。
その熱い空気の部屋の中に魚を入れれば、魚の表面が受ける温度は
同じであっても、熱は周囲全体からあたり、均一な加熱ができるというわけなんだね。
だから、魚を焼く時のグリルというのは最適な道具なんだね。
でも、そのグリルであっても、火力だけは強くしておいたほうがよいんだよ。